- 2020年10月20日

今日はWebサイト構築の際、特に意識している「8の倍数デザイン」について、少しみなさんと共有したいと思います。
WordPressを代表とするCMSの発展により、Webサイトの制作はより身近に、より手軽になってきました。とはいえ、クライアントやユーザーの使用する端末は、PC、タブレット、スマホ等、様々な種類があり、見え方も各々違うため、画像や余白、リンクボタンの大きさの決め方や、全体の横幅サイズなどを決める際、常に迷いがつきまといます。そして制作するサイズについて、絶対的なもしくは正確なルールはないので、また、迷う。好みやセンスもあり、そしてまた、迷う・・・(!!)。そこで、迷う時間を軽減する1つの軸となる「8の倍数デザイン」を用いて、「なるべくどのような端末でも、より多くの方々が、よりストレスが少なくコンテンツを閲覧できる状態を作る」というところに主眼を置き、ユーザーフレンドリーな見え方ができるようにしたいと心がけたいと思います。お客様との大事なブレを見失わないための1つの指針としての備忘録でありますので、そちらはご理解いただければと思います。
ではさっそく「8の倍数デザイン」を用いることによっての利点について、見ていきましょう。
8ポイント方眼デザインの採用
「8ポイントの倍数」にすることにより、一貫性のあるデザインにすることができます。その結果、縦横ともにバランスが整ったWebサイトを美しく見せることができます。
8ポイント方眼デザインの採用
「8ポイントの倍数」にすることにより、一貫性のあるデザインにすることができます。その結果、縦横ともにバランスが整ったWebサイトを美しく見せることができます。

デザインのルールを統一できる
「8の倍数デザイン」を用い、統一したデザインをすることにより、デザイナーにとっては幅・余白のサイズ決めに悩むことも少なくなり、より効率的にワイヤーフレーム・モックアップ作業に打ち込めるようになります。クライアント・プロジェクトメンバーも統一性のあるデザインに触れることで、サイズや配置による齟齬が生じにくくなります。ユーザーも配列の美しいデザインを見ることによって、スッキリとした操作性に富んだWebサイトを閲覧できます。相互的にメリットがあると言えるのではないでしょうか。
コンテンツ幅も迷わない
2020年から過去2年間の日本でのディスプレイ解像度の比率を調べてみました。ほとんどのディスプレイの解像度に「8の倍数」が用いられているのが分かります。実際のシェアが多いモニターサイズを意識しながら、「8の倍数」のコンテンツ幅を決めていくことができれば、ディスプレイサイズのトレンドに合ったWebサイトづくりにより近づくことができると言えます。
< PC >

PCについて、ここ2年間のトレンドとして、日本で使用されているスクリーンサイズは1920x1080、1366x768が最もシェアが高いと言えます。
< タブレット >

タブレットについては、768x1024がダントツですね。数値から見る端末で言うと、iPad 2,3,4,5やiPad Pro(9.7インチ)、iPad miniといったところでしょうか。
< スマホ >

参考資料:StatCounter (2020年9月30日現在)
スマホについては、375x667が多く、その後360x640、375x812と続きます。375x667という数字はApple社・iPhoneのRetinaディスプレイが搭載された携帯になります。Retinaディスプレイは、従来の倍の高画素密度を採用しており、デバイスピクセル比は倍になります。Retinaディスプレイに対応したWebサイトを作成する場合は、少し注意が必要となります。
(例) iPhone 7の横幅について
従来のディスプレイの場合 → 375px
Retinaディスプレイの場合 → 375px x 2 = 750px
次は、Webサイトのデザインやプロトタイプ 作成時に使用される、Adobe XDのスタート画面を参考に見てみたいと思います。

Adobe XD・ホーム画面より(2020年9月30日現在)
PC、タブレット、携帯、それぞれ上位の端末の種類が入っていますね。ここでもディスプレイサイズのトレンドが明確ですね。
上記のデータをベースに考えますと、「8の倍数」を用いた数値でWeb構築することができれば、先述した「なるべくどのような端末でも、より多くの方々が、よりストレスが少なくコンテンツを閲覧できる状態を作る」ことがより効率的に進めることができるのではないでしょうか。
コンテンツ幅の例
< PC >
960px・1040px・1120px・1200px・1280px など
< タブレット >
600px・680px・760px・ 840px・920px など
< スマホ >
360px・440px・480px・520px など
余談ですが、「8」はキリスト教では復活を連想させたり、西洋では「悪魔の化身」であるタコの足が8本なので不吉な数字とも言われていますが、日本では割と逆なイメージが先行します。「8」は「末広がり」や「八百万の神」や縁起の良い数字と言われています。漢字で書くと「八」として、上から下へ広がる形が「末広がり」の意味があり、「永遠に広がる」「大きくなる」「繁栄する」などとして、希望があり、前向きなイメージとなります。
みなさんはWebサイトをデザインする際、どのようなことに気を使いますか?みなさんが思うWebサイトデザインの思考について、共有していただけると嬉しいです。
それでは、今日もよい1日をお過ごしください。