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粋な「日本の伝統色」48選

  • 執筆者の写真: Nobuko Kitaoka
    Nobuko Kitaoka
  • 2020年8月27日
  • 読了時間: 3分

更新日:2021年1月19日

人はなぜ綺麗な色や、美しい色を追い求め続けるのでしょうか?

今回は和の色、「日本の伝統色」について、少しお話ししたいと思います。デザインやブランディングにおけるお客様との関わりや、色の好みについて、楽しくわかりやすく説明できるよう、ここでみなさんと共有できたらと思いました。


「日本の伝統色」とは、”日本に古(いにしえ)から伝わる色”で、数としては千数百以上あると言われています。そしてその色一つ一つ、全てに名前がついており、おのおの文化や歴史背景があり奥ゆかしい。今回はその中でも、「四十八藍(しじゅうはちあい)」と、「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」に焦点を当てたいと思います。

「四十八藍」や「四十八茶百鼠」の時代背景は、庶民の華美や贅沢をすることを禁じた「奢侈禁止令(しゃしきんしれい)」が出された江戸時代に遡ります。この禁止令は度々出され、当時の幕府は武士や町人に対し、着物地は絹は禁止、麻か綿を。派手な色は禁止、藍色・茶色・鼠色と細かく指示しました。そんな中、当時の職人が試行錯誤し、規制された中で技術を発展させ、創り出した、藍(青系)・茶・鼠(グレー系)のカラーバリエーションの例えが先ほどの「四十八藍」や「四十八茶百鼠」になります。ちなみに「四十八」は48種類という意味ではなく、ここでは「縁起の良い、たくさんある色彩の種類」という意味に当たります。

そんな禁止令が出ている中、多くの江戸っ子たちはその御触れに反発。他の人とは少しでも違う色を着たいという中で、職人が苦労して生み出したわずかな色の違いを楽しみ、着物の裏地に派手な色を用いたり、洒落た趣向を凝らして競い合いました。そこに「粋」と「文化の繁栄」が芽生え、江戸文化に重要な基盤を遺してくれたのではないかと感じます。

余談ですが、江戸小紋という着物柄も、その頃の時代背景から、遠くから見ると色合いが無地に見え、近くで見ると繊細優美な柄が見えるために生まれたとされています。江戸時代ファッションは、色々と苦労があるようですね。

昨今では、2020年東京オリンピックエンブレムに藍色が、全日本サッカーチームでサムライブルーが、東京スカイツリーにも江戸紫が、などと言ったように、時代を超えても新しくさえ感じます。ブランディング・デザインする中で、色は必ずと言っていいほど関わる分野になります。こういった歴史的背景や知識を共有することによって、パートナーシップとしてのお客様との関わりを深めれること、とても大切だと考えています。

カラープラニングツールとしてオススメなのが、DICグラフィックス社の「日本の伝統色」です。それぞれの色の由来解説があり、優れた色彩文化資料となります。その中から今回は、藍(青系)・茶・鼠(グレー系)に焦点を絞り、近似色の微細なグラデーションを選んで自分なりにまとめてみました。ご一緒に共有できたら嬉しいです。

みなさんはどの色がお好きですか?

粋な「日本の伝統色」48選


日本の伝統色
日本の伝統色
日本の伝統色

参考文献:「日本の色辞典」・吉岡幸雄(紫紅社) 参考資料:DICグラフィックス社・DICカラーガイド 日本の伝統色第9版 (2020年8月27日現在)

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